久々に書く会社のコラムは地元のサッカーの話。
東京23FCの2023年は順風満帆とは言いがたかった。
いや、風は悪くなかった。せいぜい、栃木シティ、VONDS市原、南葛SCに元Jリーガーが多く、話題性や選手の能力値において、不利になる可能性があるという程度であった。そして、選手の能力値については逆転不能なほどの差ではなかったように思える。
逆転不能な差がある場合は5−0とか10−0のようなとんでもスコアで大敗してしまうとか、年間勝点が1しか取れなかった流経大ドラゴンズのような状態になってしまう。
もっとも栃木シティに9−1で負けたが!!ぎゃー!!途中で見れなくなったけど、何があったんだ!!誰か教えてくれ!!いや、知りたくない!!
というわけで、風はそんなにきつくなかったものの、なかなか勝ちきれず降格圏からの奇跡の生還をすることになった。サイヤ人であれば来年は非常に強くなるはずなので期待したいところだ。
さて、今シーズンは選手の出入りが激しくなりそうだ。
キャプテンの清水光、守護神大石文弥、長身とテクニックで攻撃に幅を加えた東駿、攻撃の最後の一枚となり厚みを作っていた柴田隼人、そして、関東リーグ最強のスラッシャーであるジョニーこと若杉好輝など、みんないなくなってしまう。
退団、移籍、引退選手のリーグ戦のプレータイムを見てみるとその大きさがわかる。自分で計算したものなので、違っているところがあるかもしれない。もし見つけた方はご連絡ください。
Position | 名前 | 先発 | サブ | 出場時間 | 得点 |
GK | 大石 文弥 | 18 | 0 | 1620 | |
DF | 柴田 隼人 | 12 | 3 | 958 | 1 |
DF | 坂上 大樹 | 8 | 0 | 720 | 1 |
DF | 内藤 健太 | 3 | 1 | 275 | |
DF | 敷田 唯 | 18 | 0 | 1620 | 3 |
DF | 川﨑章弘 | 0 | 0 | 0 | |
DF | 伊藤竜司 | 0 | 0 | 0 | |
MF | 菊地 紘平 | 10 | 0 | 891 | |
MF | 小林 颯 | 8 | 2 | 503 | 2 |
MF | 岡島 温希 | 17 | 0 | 435 | 1 |
MF | 大屋 祥吾 | 4 | 12 | 24 | |
MF | 大木 竜平 | 9 | 3 | 832 | |
MF | 原科 勇我 | 3 | 5 | 311 | |
MF | 若杉 好輝 | 7 | 4 | 688 | 2 |
MF | 長渡 慧汰 | 4 | 3 | 376 | |
FW | 下村司 | 0 | 1 | 10 | |
FW | 清水 光 | 18 | 0 | 1588 | 8 |
FW | 和田 幸之佑 | 5 | 10 | 614 | 2 |
FW | 東駿 | 9 | 9 | 941 | 4 |
計算してみると、先発出場枠の77%が失われたことになる(18試合×11人=198枠のうち、退団した選手が占めていたのは153枠)。
サブで出場していた選手のインパクトも含めるため、プレータイムで計算すると、69.6%を占めている(18試合×90分×11人=17820分のうち、12406分)。
得点でいうと昨シーズンとった30点のうち、24得点が消えることになる。
というわけで……
我が軍は7割の戦力を失い……何の成果も得られませんでしたぁぁぁ!!!
調査兵団など不要だ!!
壁の外の世界であるJFLなど目指すではなかったのだ!!
このような批判は出ることだろうし、戦力が大量に流出している以上、来期は絶望的だと見立てをする人もいることだろう。まぁ、そういう人は毎年のように絶望して、呪いの言葉を吐いているので、捨て置けばよろしい!!
大切なのは、正確な現状把握と、未来へと向けて着々と歩んでいくことだ。
東京23FCは、試合においての成果はあまり見せられなかった。要因としては、素人分析ではあるが、ショート、ミドル、ロングの各種カウンターに弱いこと、セットプレーの守備が機能していなかったこと、終盤に走り負けてくる傾向があったこと、あとなんだ。
やっぱり、技術、フィジカルにおいても、対戦チームが上回ってくることが多かった。
選手の気迫は良かったと思うし、キャラの魅力も立っていた。
ということは監督が悪いということになるのかもしれない。しかし、クラブ側は選手を残すよりも、優先して監督を残したと考えることもできる。
小松監督は、レベルの高いサッカーを作ろうとしたと思うし、その成功例としてジェフ千葉の小林慶行監督がいると思う。一方で、アマチュアチームを抱えて、夏場も含めて戦いきるだけの、フィジカルどころか生活や仕事までマネージメントするという仕事までこなすことは出来なかった。というかそんなことはできるわけがない。
苦しい敗戦のあと、降格圏に落ちてしまったあと、自分が一番苦しいはずなのに「悪いのは俺だから選手を責めないでね。全部俺が悪いから」とわざわざサポーターのところに言いに来てくれた。
どことは言わないけど、Jリーグの監督で解任されたあとに「チームやメディアに邪魔をされたとか、脅迫された」とかSNSに書く監督もいる。僕は、そういった人物を信頼しない。でも、小松さんなら信頼することができる。彼を男にしてあげたいよね。
コーチとしてのキャリアは十分にある。人間性も申し分がない。あとは勝者としての実績だけが必要な監督だ。何とか勝たせてあげたい。ぼくが石油王なら、モドリッチとハーランドを取ってきてあげるんだけど、零細企業なので難しい。なので、せめて応援はしようじゃないか!
小松23!! 小松23!!
そういえば、東京23FCは、東京都リーグを戦うスペリオ城北が陥っている状態が近いなと感じることがある。お客さんが入っていて、街の中での認知度も高い。
プロからもスカウトを受けたという話を人づてに聞いた成岡宏亮が無双の活躍をし、ギラヴァンツ北九州でも1シーズンプレーしていた松本陽介もサイドを制圧していた。それでも勝ちきれなかった。
どうしてスペリオ城北は都リーグを勝ち抜けなかったのかという問題。それと、どうして東京23FCは、関東1部を勝ち上がれないのかという問題はどこか共通しているように思える。東京23FCは人間的にはとても素晴らしい選手が揃っているのだが、もっといかれた上昇志向の選手が集まって、私利私欲全開でプレーするほうが結果が良いということもある……、かもしれない……。
アマチュアのクラブを存続させているだけで、それは素晴らしい仕事なのだが、さらに上を目指しプロ化するというのは本当に難しいことなのだろう。東京23FC、そしてスペリオ城北も、素晴らしいクラブだと思うのだが、上を目指すとなるとまた違ったギアの入れ方が必要になるかもしれない。
2023年の東京23FCは素晴らしかった。
良いサッカーを見せてくれたし、夢も見ることが出来た。途中から勝てなくなってからは、声出し応援に参加するようになり、その結果、本当に大好きな仲間が出来た。この年齢になって仲間ができるというのは、貴重な経験だ。同じチームを追い、選手の一挙手一投足に喜怒哀楽をぶつける。
試合後の飲みの席では、熱いサッカーの話と、放送禁止のくだらない話をする。そういった仲間を提供してくれたという意味で、東京23FCが存在していることには揺るぎない価値がある。
ではどう勝つか。
そこはフロントの皆さん、みんなに信頼される小松監督、是非お願いします。我々を喜ばせて、泣かせてください!!
戦力はまぁ、松本育夫御大も加わったようなので、コネクションで何とか!!栃木シティから、何とかうまいこといって連れてこよう!!
「岩舟には餃子ないだろ?でも葛西に来れば独一処餃子と龍高飯店があるよ!!駅下にはスイヨシもあるよ!!カルカッタのカレーもあるしさ、さぁおいでよ栃木の名選手、誰でもいいから」
というわけで、戦力揃ってきたらまた書こうと思う。